【記者解説】県高校総体、接触伴う競技や密閉必要な会場はどうする? 感染防止指針に注目


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 新型コロナウイルスの影響で延期されていた県高校総合体育大会の日程が決まった。県内でも一時感染者が増加するなど開催が危ぶまれたが、高校生の部活動の集大成を披露する舞台は守られた。

 4月下旬には全国高校総体の中止が発表され、早い段階から各都道府県の高体連が総体の中止を決める中、沖縄県内では「時期尚早」と県内の感染状況を注視し、開催への模索が続けられてきた。ある関係者は「保護者や専門委員長、関係者らの気持ちが強く、開催にこぎ着けることができた」と裏事情を語る。

 ただ、感染症の懸念はぬぐえない。県外では第2波の兆しもあり、予断を許さない。飛行機での移動や宿泊が伴う離島地域の関係者からは感染を懸念する声も上がる。

 接触を伴うレスリングや柔道、密閉した状態で試合を行うバドミントンや卓球など競技によって感染防止の注意点は多岐にわたり、細かな対策が求められる。県高体連が今月中にも策定するという感染防止に関する大会ガイドラインが注目される。

 全国高校総体がなくなった今、県総体に懸ける生徒も少なくない。4月下旬には学校や競技の垣根を越え、児童や生徒のスポーツ大会などを支援するプロジェクトを立ち上げた保護者らもいる。生徒が全力で試合に集中できる特別な大会になるよう、高体連だけでなく幅広い大人たちのサポートが求められる。