女性研究者の環境に課題あり  大学院生の44%が学費「自分で負担」  男性の1・5倍 


社会
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 沖縄女性研究者の会(大城智美会長)は5月、県内の大学院生を対象にした女性研究者の研究環境に関する調査報告を発行した。学費を自分で負担している院生は女性が44・7%で男性の約1・5倍に上り、男性は親族の支援を受ける人が多いなど、違いが現れた。

 公益財団法人東海ジェンダー研究所の助成で、県内大学院の全院生に質問紙を配布した。111件の回答があり回収率は9・7%だった。

 研究環境の充実に必要なものとしては「奨学金の充実」を挙げた人が男女とも最も多く、女性は「キャリア支援」、男性は「子育て支援・保育施設の充実」と続いた。同調査で奨学金など性別を超えた課題も見えた。

 大城会長は「女性研究者の研究環境には課題が残る。各大学にはこの結果を参考にしてほしい」と期待した。報告書は各大学や自治体の図書館に寄贈した。