定数4に6人が立候補した島尻・南城市区では、自民公認の新人、石原朝子さん(60)が初当選した。沖縄県議選で自民の女性の議席獲得は12年ぶりで、2008年に石垣市区で当選した辻野ヒロ子さん以来。八重瀬町屋宜原の選挙事務所では、当選が決まった瞬間、涙を浮かべ喜びを爆発させた。
石原さんは八重瀬町役場勤務を経て、18年に町議に転身。「女性の声を県政へ」を掲げ、子育て支援策の充実などを訴え、地元の八重瀬町や南風原町で支持を広げた。「沖縄の若い世代には貧しさに苦しみながら、子育てをしている人たちがいる。そういう人たちを支えたい」。選挙中、何度も口にした思いだ。
政治の道に進んだのは役場での勤務経験がきっかけ。子育てに関する業務を担当していた時、子育て中の若い夫婦が保育所への入所を断られたと相談に訪れた。ひとり親世帯を対象とした入所枠はあったが、その夫婦に該当する支援策はすぐには見つけられなかった。「僕たちは離婚したらいいのですか」。夫の言葉が忘れられない。
石原さんは県政に女性や子育て世代の声を届けるべく奔走する覚悟だ。「女性のため、母親たちのために働くチャンスを得ることができた。本当にうれしい」