糸満市長に新人當銘氏 市政刷新へ元市長らが集票重ね


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

【記者解説】
 市民が現市政に「ノー」を突き付け、市政刷新を訴えた新人の當銘真栄氏(54)に期待を込めた結果となった。今回、市政野党での候補者擁立が遅れ、正式な出馬表明は告示日の約1カ月半前と出遅れた。出身地の兼城地域では長年のPTA活動などを通して市長選以前から幅広い年代に根強く支持されていた。

 人口増の傾向にある兼城地域は自身で票を固め、大票田で上原昭氏(70)の出身地である糸満地域は、前市長の上原裕常氏と元市長の西平賀雄氏が奔走し票を固めた。支援者の門中にも支持を広げ票を積み上げた。保守系だが「市民党」の立場で臨み、県議選立候補者の上原正次氏とのセット戦術も奏功した。活動は共にしなかったが革新の玉城ノブ子氏の票も取り込んだ。

 今後當銘氏には、移転が決定している泊魚市場と新築移転する糸満市場を連携させた市街地活性化や、自身が掲げた福祉ゾーンを加えた真栄里地域の整備構想、子育て支援策の実現などが求められる。市議会では少数与党となり、厳しい議会運営が予想される。
 (嘉数陽)