通学に2時間も…出勤時間帯に石垣島を襲った「50年に1度」の豪雨 市民「経験したことない」


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冠水にはまり立ち往生するタクシーと自家用車=8日午前10時30分ごろ、石垣市真栄里(画像を一部加工しています)

 【石垣】石垣島で8日午前、「50年に1度」(気象庁)の猛烈な豪雨が降った。川が氾濫したり各地で冠水が発生したりするなど住民生活に大きな影響を与えた。住民らは「経験したことのない雨だ」と不安そうに話した。

 島の市街地上空は、午前8時ごろから真っ黒な雲に覆われた。雷を伴う猛烈な雨が降り注ぎ、側溝からは至る所で水が噴き出した。

 冠水による交通規制に加えて、絶え間なく降り注ぐ雨で十数メートル先の視界確保も難しい状況となり、市内各地では通勤・通学の車で渋滞が発生した。大雨を受けて、普段は自転車通学の高校生の息子を学校に送ったという50代男性は「2時間ぐらいかかったよ」と疲れた様子を見せた。冠水が頻発する道路では夕方になっても交通規制が敷かれた。

 短時間で大量に降り注いだ雨により、市内を流れる轟川からは水があふれた。周辺の農地などに濁流が流れ込み、道路上に停車していた車も押し流した。

 普段から轟川周辺を通るという男性(48)は「すごい雨量で、辺り一面が海のような感じだった。豪雨で冠水する場所ではあるが、ここまで水位が上がるのは見たことがない。今までで一番ひどい」と話した。