「基地問題解決を」「経済政策が置き去り」 沖縄県議選終えて県民が望むこと


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
マスクを着け県議選立候補者の打ち上げ式に参加する支持者ら=本島南部

 新型コロナウイルス感染拡大を受け、異例ずくめの「静かな選挙」となった県議選。投票率は過去最低の46・96%だった。新型コロナの影響で投票を控える人もいれば「魅力的な候補者がいない」と、選挙そのものへの関心低下をうかがわせる声もあった。それでも候補者は街頭演説などで、マスクで口元が隠れた状態でも政策を伝えられるよう手話通訳を交えたり、アルコール消毒を徹底させたりするなど、コロナ禍でも政治の重要性を訴えた。今回の結果を受け、県民は今後、県議会に何を望むのか。街の声を聞いた。

 7日に投開票された県議選では、与党が議席を減らすも過半数を維持した。野党・中立との議席差がわずかなため、今後は与野党の主導権争いが激しくなりそうだ。県議選の結果を受け、県民からは「基地問題を中心にした県政運営を」「経済振興を充実させて」といった声が聞こえた。

 名護市辺野古に住む金城武政さん(63)は、当選した議員に対して「基地問題解決を中心に据えて、沖縄の将来を考えてほしい」と要望する。政府が新基地建設を進めると、地元で安心した暮らしができなくなる。「今後がどうなるのか、先が見えない不安はある」と語る。

 石垣市の具志堅正さん(58)=農業=は、新型コロナウイルスの影響を受け「経済的に不安がある県民も多くいた。いつまでも国と対立するのはおかしいと考えて投票する人も多かったのでは」と指摘する。その上で「石垣で選挙がなかったのは残念だが、辺野古の新基地建設には反対なので、与党が過半数を取って良かった。離島の基地問題にも目を向けてほしい」と求めた。

 那覇市の会社役員、城間一さん(58)は、玉城県政を「前の翁長県政を引き継いでいるだけで、経済政策が置き去りになっている」と辛口に評価する。野党が議席を伸ばしたことで今後は、県政奪還に弾みがつくとらえる。「野党は中立と一緒になって知事にプレッシャーをかけてほしい」と望んだ。