沖縄・多良間島の「八月踊り」が中止 国の重要無形民俗文化財


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八月踊りで奉納される組踊「忠臣仲宗根豊見親組」=多良間村仲筋の土原御願所

 【多良間】新型コロナウイルス感染拡大防止のため、国の重要無形民俗文化財に指定されている多良間島の豊年祭「八月踊り」の中止が決定した。八月踊りを執り行う、仲筋字会の大城隆夫会長と塩川字会の友利哲市会長が8日、多良間村役場を訪ねて伊良皆光夫村長に報告した。奉納踊りは中止するが神事のティパズミ御願(手始め御願)と正日御願は実施する。

 多良間島の「八月踊り」は人頭税の皆納を祝い、翌年の豊作を祈願したのが始まりとされる。毎年、旧暦8月8~10日の3日間にわたって執り行う。組踊などの伝統芸能から狂言、多良間独特の民俗芸能まで多彩な演目が繰り広げられる。

 塩川字会の友利会長は「1年間のブランクはきついが、次年度に向けて練習していきたい」と話した。

 伊良皆村長は「島を守る、村民を守る観点から苦渋の判断だと感じている。コロナが収束して来年は盛大に開催されることを皆で願いたい」と話した。

(清村めぐみ通信員)