中城村から浦添市の14キロにガス管整備 沖縄電力が基地返還後の需要見込む


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 沖縄電力(本永浩之社長)は10日、中城村の吉の浦火力発電所から宜野湾市の西普天間地域を通り、浦添市牧港の米軍牧港補給地区近隣地に至る約14キロの高圧ガス導管を整備すると発表した。2023年度の利用開始を予定している。将来的に、米軍基地返還跡地が整備されエネルギー需要が増加することも折り込み、液化天然ガス(LNG)の普及拡大を目的としている。導管整備により、中小企業でもガスの利用が可能になるという。

 沖電は15年度からガス供給事業を開始した。天然ガスは環境負荷が小さく、価格も安定していることから供給量は年々増加し、小売りと卸売りの合計で15年度の1・3万トンから19年度は3・2万トンとなった。

 現在は、導管が整備されていない本島中北部地域にはタンクローリーを使って運搬している。顧客企業は貯蔵、気化をするサテライト設備を設置してガスを受け入れている。うるま市州崎など3カ所には沖電グループのプログレッシブエナジーが供給センターを設置し、地域内の複数企業に提供している。

 サテライト設備の整備には初期投資が必要で、導入は使用量の多い企業に限られていた。顧客側の導入コストが抑えられるため中小企業をはじめ幅広い顧客が利用できるように導管の整備を決めた。一般家庭向けの都市ガスは、他のエネルギー事業者に沖電が卸売りをする形で連携して供給することを考えているという。

 導管は吉の浦火力発電所から北に向かい、米軍普天間飛行場の北側を回り込むような経路で牧港まで伸びる。

 今後入札を行い、着工は20年度中を予定している。総事業費は非公表としている。