「正殿が出来上がる様子見守りたい」首里城の再建作業公開に住民歓迎 火災原因求める声も


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有料区域内で、焼け残った龍の装飾などを見学する地元関係者ら=11日午後、那覇市の首里城公園(大城直也撮影)

 12日からの首里城有料区域一般公開を前に11日、周辺地域の住民や関係者らが再建に向けた作業が進む区域内を一足先に見学した。今後、首里城の再建が進む様子が公開されることに、住民からは「とてもいいこと」と歓迎の声が上がった。一方で「火災原因や責任があいまいなままでは不安だ。説明をした上で復元作業を進めてほしい」と国や県、沖縄美ら島財団に要望する声もあがった。

 焼失から約3カ月後の2月、現場で行われた初めての説明会にも参加した古都首里のまちづくり期成会副会長の仲里朝勝さん(75)は「だいぶ作業が進んだ印象。公開されるのはいいことで、正殿が出来上がる様子を見守っていきたい」とうなずいた。

 石嶺団地自治会事務の玉城節子さん(68)は焼失後、初めて有料区域内に入った。「ひびが入った大龍柱が痛々しい。美しい正殿の記憶がまだあるので変わりように驚いている」と声を落とした。その上で「元気な間に首里城を見たいという高齢者も多いので、一日も早い復元を望みたい」と力を込めた。

 首里城の赤瓦からしっくいを剥がすボランティアにも参加した当蔵自治会の石崎翔さん(33)は「再建には協力しているが、火災原因や責任があいまいなまま復元だけが進むのはどうか。管理者側も原因や責任をどう考えるか言葉や文書で説明してほしい」と求めた。