字名に「尖閣」石垣市議会委員会が可決 可否同数、委員長採決で


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 【石垣】石垣市議会総務財政委員会は11日、市が提案した尖閣諸島の字名を「登野城」から「登野城尖閣」に変更する議案について審議した。市は字名変更は「あくまで行政事務手続きの効率化を図る目的だ」として、周辺諸国との緊張関係が高まる可能性については「考慮していない」とした。同委員会は可否同数の委員長裁決で議案を可決した。

 総務財政委員会で市は、石垣島内の「登野城」か尖閣諸島の「登野城」なのか一見しただけでは判別できず、行政手続きの上で支障があるとの認識を示した。

 知念永一郎総務部長は、昭和60年代に「登野城」表記であるために、尖閣諸島の魚釣島への住民登録を誤って受け付けた事例が1件あるとして、「そのままにしていたら何らかのミスが生じ得る」とした。

 2017年に開かれた字名変更に関する検討委員会で意見を述べた有識者2人のうち、1人は周辺諸国との関係を考慮した上で、変更時期として適切ではないとの認識を当時示していたことを明らかにした。検討委開催や有識者への意見聴取は17年11月以降、実施していないとした。

 委員会採決では、与党3人が賛成した一方、野党3人が反対した。与党の公明委員1人が退席した。議案は22日の最終本会議で採決される。