多良間村に1.9億円求め提訴 製糖工場設備会社「遅延で損害」


この記事を書いた人 Avatar photo 嶋野 雅明

 【多良間】多良間村が一括交付金を利用して村内に整備する新製糖工場を巡り、建築工期の遅延で損害を受けたなどとして、機械設備を導入した東京都の製造設備会社が、村に追加費用約1億9500万円と遅延損害金を求める訴えを那覇地裁に起こした。訴状は3月30日付。

 訴状によると、村と設備会社は2015年9月に大型圧搾機など製糖に必要な設備の設置契約を締結した。16年12月に工場着工、17年2月に設備の設置完了を予定していた。だが、別会社が行う基礎工事が遅れ、18年6月までずれ込んだ。基礎工事の遅延で重機のリース代金や人件費など約2億円の追加費用が発生したとして、設備会社は村に支払いを求めた。

 設備会社と村は18年3月、追加費用1億円の支払いと、これを超える場合は工事完了後に協議して追加費用を確定することで合意した。19年4月には設備会社側が那覇簡易裁判所に民事調停を申し立てた。村が村議会の承認を前提として追加費用1億4500万円を支払うことで調停は成立したが、議会が否決したため失効した。

 村担当者は18年3月の合意に基づき、これまでに1億円を会社側に支払っているとした上で「今後については弁護士と相談した上で対応する」とした。