平和な社会を次世代へ 旧海軍壕慰霊祭 遺族の思いつなぐ


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慰霊祭で追悼の言葉を述べる沖縄観光コンベンションビューローの下地芳郎会長(手前左)=13日午前、豊見城市豊見城の海軍戦没者慰霊之塔

 旧海軍司令部壕慰霊祭が13日、沖縄県豊見城市の海軍壕公園で行われた。新型コロナウイルス感染症拡大防止のため遺族は参加せず、施設を管理する沖縄観光コンベンションビューローの関係者約20人が戦没者を追悼し、平和を誓った。

 13日は「沖縄県民斯ク戦ヘリ」の電報で知られる大田実司令官が自決した日。例年は県外を含め多くの遺族が参加する。今年は「参加できず残念」との声が寄せられたという。

 遺族らからの花を前にコンベンションビューローの下地芳郎会長は「悲惨極まる戦争の実相を次世代に語り継ぎ、平和な社会を引き継ぐことは私たちの責務」と恒久平和の発信を誓った。

 公園内にある資料館では今年、遺族から提供された銃剣や壕に残された薬瓶など約50点を新たに展示した。