在宅勤務で能力向上 観光客回復に向け準備 県内各社 サービス研修に注力


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Zoomを通して手話を学ぶ日本トランスオーシャン航空の客室乗務員ら=18日、那覇空港

 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響を受け、県内の観光業はまだ客足の回復が見えない。業務の激減による社員の在宅勤務などが続くが、各社は繁忙のためこれまでできなかった接客技術の研修などに力を入れ、サービスの質の向上に取り組んでいる。

 日本トランスオーシャン航空は、客室乗務員約240人のうち毎日50~60人ずつ交代で在宅勤務を続けている。航空路線の7割が減便となりフライト業務が激減したが、乗務員を休業にはせず、ビデオ会議アプリZoom(ズーム)を使ってスキルアップ研修に取り組んでいる。

 これまで研修は年に1回だったが、4月中旬ごろからほぼ毎日取り組んでいる。接客サービスやアナウンスの訓練、全国手話検定の1級や準1級を持つ社員による手話講座にも力を入れる。

 1人1台支給されているタブレットを通して、ヨガインストラクターの資格を持つ社員による講座動画を共有するなど、それぞれの得意分野も生かしている。客室乗員部の下田悦子氏は「フライトが戻ってきた時に力を発揮できるようにする」と意気込む。

 今年1月に那覇市の国際通りに開業したホテルコレクティブ(那覇市)は、開業してすぐに新型コロナのあおりを受けた。稼働率が1桁台の日が続くが、社員は休業せずに接客力に磨きをかける。

 料飲部門が客室清掃をするなど、部署を横断して仕事を覚えるクロストレーニングを実施している。従業員がどの業務でも対応できるようにし、効率的に仕事を進める体制をつくる。英語での電話応対やワインの注ぎ方など細かい作法の習得にも取り組んでいる。

 営業企画課長の具志堅史也氏は「稼働率が戻るのはまだ先だと思うが、この時期を良いように捉えて、お客さんが戻ってきた時のために今スキルを上げていく」と話した。