やんばる国立公園の植物60種採取禁止 環境省、初めて指定


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 環境省沖縄奄美自然環境事務所は18日、自然公園法などに基づき、やんばる国立公園の「特別地域」内で採取や損傷を禁止する植物60種を指定した。やんばる国立公園は2016年に指定され、このうち特別地域内では指定した植物の採取が規制されることになっており、今回初めて対象となる植物60種が決まった。18日に発効し、違反した場合は6カ月以下の懲役か50万円以下の罰金が課される。やんばる国立公園には他に「特別保護地区」があり、この地区では全種の植物の採取や損傷を禁止している。

 今回対象となった植物は希少種に限らず、やんばるらしい景観を維持している固有種なども含まれる。既に「種の保存法」で採取などを禁止している種は除き、新たに追加した。指定された植物はアマミスミレ、ヤクシマスミレ、ケラマツツジなど60種。

 指定種を許可なく根こそぎ抜き取る、葉や花弁をちぎる、枝を折るなどの行為が禁止される。学術目的などの理由からこうした行為が必要な場合は、環境省やんばる自然保護官事務所に申請する必要がある。

 環境省沖縄奄美自然環境事務所によると、やんばる国立公園の特別地域では今回の指定植物に加え、捕獲を禁止する動物の指定も検討している。

 対象の植物はhttps://www.env.go.jp/nature/yanbaru.pdfで確認できる。