沖縄のアートセンターを…キュレーターら5人が連携へ組織設立 


社会
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「アートイニシアチブオキナワ」を立ち上げたことを報告する内間直子さん(右)と澁谷夏恵さん=5日、那覇市泉崎の琉球新報社

 沖縄県内の現代アートシーンを盛り上げようと3月末、県内のアートマネジャーやアート関係者ら5人が組織「アートイニシアチブオキナワ」を立ち上げた。県内アート関係者の情報発信や人材育成、アートスペース(ギャラリーなど)とアーティストの連携強化を図るための活動をしている。今後は芸術文化の情報窓口、国内外から訪れる研究者やアート関係者との交流の場として活用する拠点「アートセンター」の設立を目指す。

 組織の中心となっているのはアートマネジャー、キュレーターとして国内外の展覧会、イベントに多く関わるESM OKINWA代表の内間直子さん。

 内間さんは2001年~11年、那覇市を拠点に活動していた民間主導の「前島アートセンター」が県内外への発信やアーティストと社会をつなげる役割を果たしていたことに注目した。センター解散後は個人のネットワークなどに頼らざるを得ない状況になっていることから新たなアートセンターの設立を決意。準備室として位置付けたアートイニシアチブオキナワを立ち上げた。

 現在、県内アート関係者からの聞き取り調査や、沖縄のアートに関する情報収集、ホームページや県内アートスペースのマップ作りなどを進めている。1年目はトークイベントや勉強会、展示会などを企画開催し、2年目にアートセンター設立に向けた課題調査を行う方針。

 内間さんと、ウェブコラムなどに携わる県立芸術大学2年生の澁谷夏恵さんが5日、那覇市泉崎の琉球新報社を訪れ、組織の立ち上げを報告した。

 内間さんは「コロナ禍で活動の抑制を余儀なくされるなど影響を受けている沖縄のアートシーンを盛り上げたい。組織の強化を図りながら、将来的には現代のニーズに沿った新たな拠点作りを目指す」と意気込んだ。