スーパーで土産販売好評 在庫の県内消費順調 商品開発で販路拡大も


この記事を書いた人 Avatar photo 宮里 努

 新型コロナウイルスの影響で販路を絶たれた土産品を救済しようと、県観光おみやげ品公正取引協議会(松本元一会長)が県内スーパーに働き掛け実施している「沖縄土産品緊急事態SOS!」が好評だ。メーカーが抱えていた在庫が販売できただけでなく、製造メーカーが量販店バイヤーとつながったことで、新たな販路の開拓や県内消費に向けた商品開発につながりそうだ。

観光客の減少で危機に陥っている土産品を救おうと開催されている「結まーるセール」=19日、浦添市のサンエー経塚シティ

 今回の取り組みは(1)大量在庫を緊急的に救ってもらう(2)土産品を県民に知ってもらう―の二つが目的。スーパーの商品棚に観光土産品を陳列したり、催事コーナーでフェアを開催したりして販売している。松本会長は「二つの目標は達成できたと思う。今まで県民向けの商品開発ができていなかった。自立した製造業になるためにも県内向けの発信は必要だ」と課題を指摘した。

 ピンチを救うための取り組みだが、新たな展開が見え始めている。

 漬物を扱うサンフルーツは今回の店頭での売れ行きから、日販での取り扱いの打診を受けている。仲本勝美専務は「これまで県外向けにしか商品を作ってなかったが、これを機に県内消費につながる商品を作りたい」と意気込む。

 もともと量販店で取り扱っていた商品でも催事での売れ方を見て、お土産品の棚からお菓子の棚に移動するなど陳列の仕方を変えた店舗もあったという。

 販売店舗を持たない製造メーカーは客から直接声を聞く機会にもなる。オキコの松竹真希量販課係長は「『頑張ってね』と買ってくれる方もいた。お客さまからの直接の声は本当にありがたい」と感謝する。

 19日から22日までサンエー経塚シティ中央コートでは7社が出店して「沖縄かんこうおみやげ品結まーるセール」が開催中だ。サンエーのバイヤーは「今回は救済が目的だったが、今後は県産品発掘の場として何らかの形で継続していきたい」と話した。