「弾薬庫に延焼したら」 嘉手納基地火災 住民、続く事故に憤り


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白煙が上がる火災現場(奥)と滑走路を離陸するKC135空中給油機=22日午前10時29分、米軍嘉手納基地(ジャン松元撮影)

 【中部】米軍嘉手納基地内で22日に起きた火災では、塩素ガスの粒子の放出も明らかになり、周辺住民からは不安や憤りの声が上がった。

 「まさか、爆発事故ではないよね」。自宅からフェンス一枚を隔てた嘉手納基地内で、もくもくと煙が上がる様子を目撃した嘉手納町屋良の照屋唯和男(いわお)さんによると、煙は午前10時半ごろにいったん落ち着いたが、その後、再び勢いを増し「屋根が燃え落ちたように見えた」。照屋さんは「万一、弾薬庫や戦闘機に延焼していたら大惨事。米軍には原因の究明と公表、再発防止の徹底を求めたい」と訴えた。

 煙が流れた方角にある沖縄市知花では、15日にも基地内の工事が原因で生活排水が流出し、周辺地域に悪臭が広がる事故が発生したばかり。宇良敢(つよし)知花自治会長は「事故が基地内でも、迷惑を被るのは基地の外の住民だ」と語気を強めた。

 火災発生場所から約1キロの距離にある北谷町上勢区。仲栄真盛一自治会長は、有害物質を放出したにもかかわらず地元への連絡が遅れたことに「米軍は住民の命を軽く見ている」と批判。戦後、基地周辺の住民は米軍絡みの事件や事故に悩まされてきた。「行政は日米両政府に強く申し入れるべきだ」と注文を付けた。