沖縄県高校野球の大会展望 実力校そろうDブロック注目 59チーム「夏」秒読み


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組み合わせ抽選に臨む各校の監督や部長ら=23日、沖縄市の県立総合教育センター

 2020県高校野球夏季大会(県高野連主催)の組み合わせ抽選会が23日、沖縄市の県立総合教育センターであり、1回戦27試合の対戦カードが決まった。中止となった第102回全国高校野球選手権沖縄大会の代替大会。64校から59チームが出場する。シード4校を含む5チームは2回戦から登場する。7月4日に開幕し、決勝は8月2日午後1時からタピックスタジアム名護で行う予定。開会式は行わない。

 新型コロナウイルスの感染防止のため、抽選会には選手は参加せず、監督や部長ら各校1人のみが出席した。

 準々決勝までで中止となった県春季大会で4強入りした中部商、沖縄工、宮古、日本ウェルネスがシードされ、Aブロックにウェルネス、Bブロックに沖縄工、Cブロックに宮古、Dブロックに中部商が入った。

 開邦・南部農林・辺土名・真和志の4校と宮古工・宮古総実の2校はそれぞれ連合チームを組んで出場する。

 沖縄セルラースタジアム那覇、コザしんきんスタジアム、アグレスタジアム北谷、タピックスタジアム名護の4会場を用いる。3年生を中心に選手の出場機会を増やすため登録人数枠が最大60人に拡大され、ベンチ入り25人は試合ごとに入れ替えることができる。原則無観客だが、部員と3年生の保護者のみスタンドでの観戦を認める。

<展望>

 全国で唯一開幕した県春季大会以降、新型コロナウイルスの影響で練習や対外試合が十分にできておらず、混戦模様となることが予想される。どこが優勝してもおかしくない。

 多くのチームが大会直前まで試合を組んでおり、実戦感覚をどれだけ取り戻せるかが鍵となりそうだ。試合勘の戻りやスタミナ不足をどう補うかについては、自粛期間中の個人練習の成果も問われそうだ。

 Dブロックは、ノーシードでも実力あるチームが多く集まった。秋季大会や新人中央大会などで結果を残したチームがひしめき、初戦から大注目のブロックだ。

【Aブロック】ウェルネスと強豪居並ぶ

 古豪、強豪が居並ぶ中、シードは創部3年で春4強入りを果たした新進の日本ウェルネス。春は左腕・比屋根柊斗が安定していた。打率4割を超えた打線をかみ合わせ上位を狙う。春8強で打戦が売りの北山は、プロ入りを目指すエース・仲宗根アレキサンダー海吏に注目が集まる。春16強の興南、浦添商、那覇商もこのブロック。予想がつかない好ゲームが期待できそう。

【Bブロック】連合、再び台風の目なるか

 シードの沖縄工は、春季大会の打率が2割9分で、上位打線の高い出塁率とつなぐ打撃をみせた。好調さを夏でも発揮できるか。春8強の知念は昭薬付、同じく春8強の糸満は小禄と初戦でぶつかる。八重山商工―八重山の八重山勢対決を制した方が沖縄工に挑む。春に連合チーム初の16強入りを果たした開邦・南部農林・辺土名・真和志が再び台風の目となるか。

【Cブロック】宮古、強力打線健在か

 春4強の中で打率が4割1分9厘と最も高く、毎試合の2桁安打だった宮古がシード。宮古は夏も好打を見せることができるか。その強力打線をいかに封じることができるかが、他校が勝ち上がるポイント。宮古工・宮古総合実業の連合チームも同ブロック。粘り強いゲーム展開で春16強入りした北谷と新人中央大会で準優勝している具志川商のカードも興味深い。

【Dブロック】今大会屈指の激戦区

 今大会屈指の激戦区。シードの中部商は春の大会で継投策がはまり、小技を絡めたゲーム展開が4強の中で飛び抜けていた。そのほか、昨年の選手権沖縄大会を制した沖縄尚学、新人中央大会優勝の沖縄水産など強豪が並び、どこが勝ち上がってもおかしくない。秋4強の嘉手納と同8強の宜野湾のカードも注目。互角の戦いが予想され、1回戦から熱戦が期待される。