募った食品「必要な人に」沖大生がフードドライブ


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食品の寄付を呼び掛ける沖縄大学の学生らと集まった食品=25日、那覇市の同大

 コロナ禍で沖縄県内の多くの世帯が困窮する中「私たちにもできることがある」と沖縄大学の学生たちが食料の寄付を募る「フードドライブ」に取り組んでいる。学内の学生や教職員に呼び掛けて食品を募り、那覇市内のフードバンクに寄付して必要とする世帯に届ける。学生たちは「人の役に立てる実感を持ててうれしい」と笑顔で話す。

 メンバーは人文学部福祉文化学科の2年生で、講義やゼミで子どもの貧困などを学んできた。中心となる中山暉野(きの)さん(20)は、福祉職に就く母からコロナで生活が困窮する人が増えていると聞き「知っていて動かないのはだめだ」と決心。以前にも経験があったフードドライブをしようと仲間に呼び掛けた。

 関係者から現場のニーズを聞き取って「おなかを満たせてすぐに食べられるレトルトやインスタント食品を」と対象を絞り、学内の張り紙やSNSで寄付を呼び掛けた。本館内に寄付箱を設置し、人が集まる「密」を避けるため、24~26日の3日間に学部や学科を分けて寄付を呼び掛けた。2日目の25日には箱詰めされたカップ麺や缶詰などが続々と持ち込まれた。

 メンバーの山下紫音さん(19)は「コロナで仕事を失った人もいる。外出自粛で町も止まっている中でどうしているんだろうと心配していた」と中山さんの呼び掛けに即応。他学科からも手伝いの申し出があるといい、中山さんは「必要な人に届けられることも、学生に活動が広がることもうれしい」と話した。

 集まった食品は29日にフードバンクに運ぶ予定だ。