有害性指摘のPFOSなど443ナノグラム検出、嘉手納基地周辺の大工廻川で目標値の約9倍


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 発がん性などのリスクが指摘されるPFOSなどの有機フッ素化合物(PFAS)について県企業局は24日、米空軍嘉手納基地周辺河川などでの2020年度調査結果を公表した。

 PFOSとPFOAの合計値は大工廻川で最大1リットル当たり443ナノグラム、平均220ナノグラムで、厚生労働省が定める水道水中の暫定目標値1リットル当たり50ナノグラム(PFOSとPFOAの合計値)を超過した。比謝川取水ポンプ場でも最大173ナノグラム、平均110ナノグラムを計測した。

 計測した比謝川水系は県内7市町村に給水する北谷浄水場の水源。県企業局は嘉手納基地が汚染源の可能性が高いと指摘している。北谷浄水場の原水は1リットル当たり11ナノグラム、浄水は同16ナノグラムで、共に厚労省の暫定目標値をクリアした。

 国内での規制はないものの、国際的な規制が議論されている「PFHxS」は大工廻川で1リットル当たり最大210ナノグラム、平均100ナノグラムが検出された。比謝川取水ポンプ場でも最大76ナノグラム、平均44ナノグラムを検出した。

 19年度の調査ではPFOSとPFOAの合計値が大工廻川で最大1リットル当たり1675ナノグラム、平均610ナノグラム、比謝川取水ポンプ場で最大278ナノグラム、平均150ナノグラムを検出していた。