【記者解説】米軍、地元との協力関係アピール? 嘉手納基地に三連協の立ち入りは許可


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火災でほぼ全焼した危険物取扱施設を前に、米軍から説明を受ける関係者ら=25日午後、米軍嘉手納基地(第18航空団広報局提供)

 嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会(三連協)の要望を受け、米軍嘉手納基地を管理する第18航空団の司令官は、火災発生から3日後に地元自治体の基地内立ち入りと現場視察を受け入れた。立ち入りを認めた背景には、地元自治体との協力関係や、基地運用の透明性をアピールする狙いがありそうだ。

 ただ、米軍はこれまで基地周辺河川などから人体に有毒な有機フッ素化合物が検出された際などには、県や地元自治体の立ち入りと調査を拒んできた。事案や都合によって対応を変えてきた経緯があり、今後も万一の事態に立ち入りが認められるかは不透明だ。有機フッ素化合物の問題も含め、県や自治体の求めには常に情報を公開し調査を認めるべきだ。

 一方、三連協も現場を視察し、米軍の説明を受けただけで安全が担保されたと解釈するには懸念が残る。科学的な根拠を基に安全性を検証するためにも、視察だけでなくあらためて調査目的の立ち入りが必要だ。
 (当銘千絵)