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アドビ社【※1】は10日、スマホ向けカメラアプリ「フォトショップカメラ」を配信しました。
このアプリを使うと、曇り空を青空に変えるなどの「合成」機能を使うことができます。
これまではパソコンソフトで作っていた合成写真が、スマホで簡単に行うことができるようになります。
※1 アドビ社 … パソコンのプロ用ソフトを開発、提供している会社です。合成写真を作れる「フォトショップ」や、チラシなどを作成する「イラストレーター」、YouTuberの愛用者も多い動画編集アプリ「プレミア」などを作っています。近年は、スマホ・タブレット向けにどんどんアプリを提供している、要注目の会社です。
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別のニュースですが、山梨県の忍野村が主催する富士山の写真コンテストにおいて、今年の最優秀賞が「合成写真では?」と指摘が相次いだことを朝日新聞が報じています。
撮影者は、カメラ本体の機能を使って撮影し、「合成写真ではない」と主張しています。
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ここ数年で、カメラ性能・機能が大幅に進化しています。
さきほど紹介した例だけでなく、auから発売されるサムスン製新型スマートフォンは、光学100倍までズーム撮影が使え、手持ちで月をきれいに撮れます。
何でも写すことができる、何でも合成で作ることができる、ということですね。
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今後、人間の目では作り物かどうかの見分けがつかない、「ディープフェイク」【※2】が登場すると言われています。
私たちは「映える」画像を見ても、すぐに本物だと決めつけてシェアするのではなく、いったん立ち止まって疑う必要があります。
カメラ性能の進化を感じた時には、「このように悪用されるのでは?」とさまざまな視点で考えてみましょう。
※2 ディープフェイク … AIなどの技術を使い、別人の顔を動画で合成する技術。この技術が発達すると、人間が見ただけでは、本物と偽物の判断が難しくなります。
【プロフィル】
モバイルプリンス / 島袋コウ スマートフォンアドバイザー、フリーライター。沖縄県サイバー防犯PR大使を務め、スマホやインターネットの活動講座を学校などで実施。本連載をまとめた著書「しくじりから学ぶ13歳からのスマホルール」(旬報社)も発売中。