コロナ失職者、学校の支援員に 沖縄市教委が採用 児童の感染防止業務に奮闘


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 【沖縄】沖縄市教育委員会は、6月1日から新型コロナウイルスの影響で失職した人を学校支援員として採用している。新型コロナの感染防止で教員の多忙化に拍車が掛かる中、児童生徒の検温や校内の消毒などを担ってもらい、学校現場の負担軽減を図っている。26日現在、市立小中学校11校に1人ずつ配置。今後も随時募集し、すべての学校に配置する計画だ。

不特定多数が利用するトイレの消毒作業を行う新垣太一さん=18日、沖縄市立美東中学校

 支援員は会計年度職員として採用、週5日の勤務で、任期は11月末までを予定する。年休が7日与えられ、学校での業務を行いながら、新しい職探しも可能だ。校内で不特定多数が使用するトイレやドアノブを消毒するなど、各学校の状況に合わせて業務を担う。学校再開後、教員らは毎朝の検温やマスクを忘れた児童生徒への対応、授業終了後の消毒作業などを行っている。業務に対応するため朝の出勤時間を早める学校もあり、教員の負担が増していた。

 沖縄市立美東中で支援員として勤務する新垣太一さん(28)=読谷村=は、2月まで三重県で製造業に就いていた。沖縄に帰り職探しを始めようとした矢先に新型コロナの影響で求人がほぼない状態になった。これまで学校現場で働いた経験はないが「子どもたちから元気をもらっている」と言い、やりがいを感じている。勤務しながら職探しも続けている。

 同校の田港朝満校長は「教員や生徒も時間が取れない中、感染リスクを下げる取り組みにとても助かっている」と話した。

(下地美夏子)