サッカー明治安田J2の第2節、FC琉球は28日、タピック県総ひやごんスタジアムでアビスパ福岡と戦い、1―1で引き分けた。今季最初のホーム戦。2月23日の第1節から約4カ月ぶりのゲームは無観客の「リモートマッチ」での開催となった。次戦は7月4日、午後7時から北九州市でギラヴァンツ北九州と戦う。
前半32分、自陣でのボールカットからパスを受けたFW阿部拓馬が一気に駆け上がった。守備は3人で詰めてくるが、急な展開で周囲にチームメートはいない。「自分で決めると切り替えた」。真っすぐ放ったシュートはガードするDFの横すれすれを抜けてゴール右上に突き刺さった。今季初のチームの先制点に阿部は「ゴールへの意識を常に持っていた」と喜んだ。
立ち上がりはパスワークでボールを支配したが、相手の堅守に阻まれてシュートまで至らない場面が目立った。それでもSB沼田圭悟の連係やセットプレーからのヘディング、上里一将の縦パスなど琉球らしい攻撃的サッカーで何度も好機を演出した。
守備ではCB福井諒司が相手の起点フアンマ・デルガドに強く当たった。樋口靖洋監督は「高い集中力で思った通りのプレーをしてくれた」と高く評価した。
後半5分、攻撃に変化をつけた福岡に縦パスを通されて失点し、勢い付かせてしまう。それでも、交代した富所悠と小泉佳穂がほかと連動して再び試合のリズムを変えた。
互いに戦略を練りあった試合で、悪い流れの時間帯もあったが、琉球らしい試合運びはできていた。樋口監督は「プラスの面を意識しながら戦っていきたい」と次のギラヴァンツ北九州戦に目を向けた。 (古川峻)
(1)タピスタ
FC琉球 1分け1敗(1)
1―1(1―0,0―1)
アビスパ福岡 1勝1分け(4)
▽得点者【琉】阿部(1)【福】フアンマ(1)
【評】琉球はボールを支配し、パスをつなぐが福岡の堅守は崩れない。前半32分、阿部がドリブルから先制。守備ではCBが相手FWに仕事をさせなかった。しかし、後半開始直後に縦パスを入れられ、同点とされた。その後はクロスなどから多彩な攻撃を仕掛けたが、勝ち越し点得点には至らなかった。
◆高い集中力維持した
樋口靖洋監督(琉球)の話 リーグ再開に努力してくれた皆さんに感謝したい。選手は高いテンションと集中力を維持していた。両チームとも自らが支配する時間帯に得点した。相手にボールを握られていた時間を少なくしたい。勝ち切りたかった。
◆勝ち点3取れず残念
長谷部茂利監督(福岡)の話 立ち上がりで琉球のペースになり前向きにプレーできなかった。後半にスペースを突くなど守備の崩し方を指示した。
勝ち点3を取れなかったことが残念だ。勝つためにどうするか考えて修正したい。