慰霊碑に米軍施設内「クラガー」の水を…読谷・楚辺自治会 高齢化の遺族会は模合解散


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
慰霊之塔に手を合わせ、戦没者を悼む参列者=23日、読谷村楚辺

 【読谷】沖縄県読谷村楚辺自治会(比嘉進自治会長)は23日、ユーバンタの浜を臨む同地区慰霊の塔前で合同慰霊祭を開いた。新型コロナウイルス感染拡大防止への配慮から、例年より規模を縮小しての開催だったが、遺族や関係者ら約50人が参列した。遺族会の比嘉弘光会長(82)は「恒久平和の実現のために努力することを誓う」と力強く語った。比嘉自治会長も「悲惨な戦争を遠い記憶の中に埋もれさせない」と話した。

 慰霊祭では、かつて住民の水くみ場や拝所として利用され、現在は米陸軍トリイ通信施設内にある「クラガー」の水を慰霊碑にかけ、犠牲者を弔った。

 楚辺自治会では高齢化が進み、戦争や平和継承の在り方に課題が残る。比嘉会長によると遺族会は会員の高齢化を理由に、毎月20日に集まっていた模合を今年初めに解散した。