コロナ第2波に備えて議論 沖縄県の専門家会議が警戒を呼び掛け


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 新型コロナウイルス感染症対策について医師や専門家らで話し合う県の専門家会議が29日、南風原町の県医師会館で開かれた。県内は5月以降、新規患者ゼロが続いている一方、東京では50人超の患者発生が続いていることを踏まえ、第2波に備えた医療提供体制の構築について話し合った。今後の感染拡大を見据えた厚生労働省の医療体制構築に関する通知を踏まえ、県は保健所の即応体制の整備や、感染拡大のフェーズに応じた病床数の確保などについて7月末までに計画をまとめる予定だ。

 県内では感染状況の落ち着きと共にPCRの行政検査数が減っていることから、医師からは流行を早期に覚知するためにも今後検査を受けやすい環境をつくることや、感染拡大に備えて警戒感を高めていく必要性が指摘された。

 今月19日に渡航制限が全面解除され、都道府県をまたぐ移動や観光客の受け入れが始まっていることから、関係者は「いつ県内に(ウイルスが)持ち込まれてもおかしくない状況になっている」(県の糸数公保健衛生統括監)とみている。県立中部病院感染症内科の高山義浩医師は「沖縄観光が再開し、夏休みになれば観光客がもっと増える。持ち込まれる可能性があることを踏まえ、春休み以上に警戒感を高めて」と呼び掛けた。