北部基幹病院の整備、知事「着実に進める」時期は明言せず 推進会議要請に


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北部地域基幹病院の早期整備を求めた要請書を玉城デニー知事(右)に手渡す北部地域基幹病院整備推進会議の當眞淳会長=2日、県庁

 北部地域基幹病院整備推進会議(会長・當眞淳宜野座村長)は2日、沖縄県庁に玉城デニー知事を訪ね、北部基幹病院の早期整備に向けた合意書の、早急な締結を求める要請書を手渡した。玉城知事は「合意書締結に向け着実に前進したい」と述べた。一方で締結時期は明言しなかった。

 知事は合意書の締結について「いつまでと明確に表現できないが着実に進めていきたい」と強調した。その上で「私のこだわりというか、基幹病院を造るにあたって各界から意見を賜っている。それで進展が遅れている印象を与えたのは申し訳ない」と説明した。

 北部基幹病院の基本的枠組みに関する合意書案は、北部12市町村長や北部地区医師会、県などで議論を重ねて作成された。

 首長らはことし2月に合意書案を受け入れたが、知事の判断は先送りされている。

 當眞会長は要請後、記者団に対し「『合意で進める』と断言していただけたら本当は良かった。やんばる医療が逼迫(ひっぱく)している中で、一日も早く締結に向けて対応していただきたい」とスピード感のある対応を求めた。推進会議のメンバーは同日、県議会議長を訪ね同様の要請書を手渡した。

 同会議の要請は、人口約13万人の北部地域で基幹病院早期実現を求める11万人分の署名を提出した2017年に続き2度目となった。