ホテル清掃職員の休業手当、労基署が支払い指導 請負会社に要求


社会
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 沖縄本島内のホテルで客室清掃などを担う従業員らが新型コロナウイルスの感染拡大に伴う休業を受け、東京の業務請負会社に休業手当の支払いなどを求めていた問題で、名護、沖縄の両労働基準監督署が合同で同社に指導票を交付し、休業手当の支払いを求めたことが2日までに分かった。

 同社は「シフト制なので休業手当の支払い義務はない」と主張してきたが、両労基署は事業主の都合による休業はシフト制でも休業手当の支払い義務がある(労働基準法第26条)と説明した。一方で今回の休業は事業主の都合ではなく、感染拡大を受けホテルが休館したことが要因だとして、同26条に基づく休業手当の支払い義務は認めなかった。だが、従業員らが生活に困窮しているとして、雇用調整助成金などを活用した休業手当の支払いを求めた。

 指導票に法的拘束力はない。両労基署は業務請負会社に7月末までに改善報告書の提出を求めた。同社は本紙の取材に対し「指導内容について、できることをやっていく」と述べた。

 従業員らは休業手当の支払いを求め、4月23日に名護、5月13日に沖縄労基署にそれぞれ申告した。労基署は6月30日に同社に指導票を手渡した。

 従業員らは労働組合「うまんちゅユニオン」のうりずん支部を結成、6月29日、30日に団体交渉をした。組合員は「是正勧告でないことは残念だが、指導は一歩前進だ。団体交渉でも改善を求め続ける」と述べた。