【西原】西原町安室の喜屋武ハツ子さん(80)は、4センチ四方の折り紙で鶴を折るのが得意で、55歳から25年間折り続けている。
ハツ子さんは、農作業に精を出し、出荷を終えた後は暇を見つけては鶴を折る。寂しい時、夜眠れなくなった時に折る。どんなに忙しい日でも必ず一つは折り、のりが入っていた瓶に保管してきた。保管した折り鶴は、羽ばたいていく鶴(折った鶴を広げた形)にしたらカリー(縁起が良い)なので、飾ったり、友人、知人にあげてきた。
73歳祝いの時、50羽をつなげ首飾りにして同級生15人にプレゼントした。また、枯れた盆栽の幹を利用して、羽ばたく鶴をアレンジした盆栽や、長男嫁の小百合さんに漢字で「令和」「金」を書いてもらい、鶴を貼り付けて友達や公民館などに寄贈した。自宅応接間の二つの窓にも鶴を50羽ずつを上下につなげ(1列は100羽)カーテンとしてつり下げた。
友達の玉那覇香代子さん(86)は「ハツ子さんはしまくとぅばも上手だし、おしゃべりしていても鶴を折っているし5、6年のお付き合いだけど、良い友達ができたさー」と笑う。
孫の秀磨さん(21)が小学3年生の時、慰霊の日前に先生が「鶴を折れる人?」と問い掛けたら、手を挙げたのは男子は秀磨さんだけであとの4人は女子だったという。「毎日残って鶴を折ったみたいよ」と目を細めて語る。
ハツ子さんの口癖の「鶴は千年、亀は万年、人間は300年笑い福いして~」とニコニコして言う。「300年生きるってことではなく、笑い福いして楽しくってことだよ」と笑った。
(小波津昭子通信員)