「数字」と炎上商法 モバイルプリンスの知っとくto得トーク[166]


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モバイルプリンス

 

先月25日、「迷惑系YouTuber」の男性が、首里城公園内に設置された「復興の寄せ書き」に落書きをする動画をツイッターにアップし、批判が集まりました。

この男性は人気YouTuberにつきまとい、炎上することで再生回数を稼いで知名度を上げていました。

 

イラスト・小谷茶(コタニティー)

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「悪名は無名に勝る」【※1】ということわざがあります。ネットの世界でも、名前が知られて再生回数が増えれば、お金を稼げる仕組みがあります。

最近では、芸能人の事故や不祥事などがあると、「○○の息子です。この度は、家族が世間をお騒がせしてすみませんでした」と身内になりすまし、再生回数を増やそうとたくらむYouTuberも多数出てきています。

 

※1 悪名は無名に勝る … 世の中に知られていない人より、悪い評判でも知られている人の方がいいという意味の言葉。大きな失敗をした時・悪い噂が流れた時に、自分を励ます意味で使うならともかく、この言葉を開き直りのために使い、人に迷惑をかけるYouTuberがいるのです。

 

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さまざまな生き方・価値観がある現代では、再生回数や収入などの「数字」は、他者と比較する上で、ものすごく分かりやすいものさしとなります。

しかし数字だけを追い求めると、今回の「寄せ書きへの落書き」などもOKになってしまいます。

こうした炎上商法は、過激にならないと支持者も満足しません。結果、どんどんエスカレートして警察に逮捕された人【※2】もいました。

一時的に注目を集めても、中身がなく過激なだけのYouTuberは長続きしないということですね。

そうした行動を自分自身がとらないことは当然として、過激で炎上だけが目的のYouTuberを支持しない、見ないという姿勢も大事です。

 

※2 警察に逮捕された人 … 2017年1月には、チェーンソーを振り回し、運送会社の社員を脅迫した動画を撮影したYouTuberが逮捕されました。2020年3月には、わざと財布を落として「盗まれた」と警察に届け出たYouTuberが逮捕されるなど、過激な動画撮影で逮捕された例は数多くあります。

 

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ スマートフォンアドバイザー、フリーライター。沖縄県サイバー防犯PR大使を務め、スマホやインターネットの活動講座を学校などで実施。本連載をまとめた著書「しくじりから学ぶ13歳からのスマホルール」(旬報社)も発売中。

http://smartphoneokoku.net/