「中谷・元防衛相が知事にメガフロート案示す」山崎拓氏が明らかに 中谷氏は否定


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中谷元・元防衛相(左)と面談する玉城デニー知事=3日午後、県庁

 来県中の中谷元・元防衛相が4日、玉城デニー知事後援会長で金秀グループ会長の呉屋守将氏と那覇市内で会食した。会食には元自民党副総裁の山崎拓氏が同席した。会食後に取材に応じた山崎氏は、中谷氏が3日の玉城知事との会談で、名護市辺野古の新基地建設について埋め立てによる工事は困難との認識を示した上で、代替案として巨大な浮体を設置する「メガフロート」案を示していたことを明らかにした。玉城知事は提案に難色を示していたという。

山崎拓氏(資料写真)

 玉城知事は6日、中谷氏と3日に会談した際は「メガフロートの話は出ていなかった」と会談での言及を否定。中谷氏も本紙の取材に「知事との会談で話したのは、自衛隊との共同使用や軍民共用の話であり、メガフロートや埋め立ては困難とは一切話していない。むしろ、埋め立ての手続きを早急に検討してほしいということを伝えた」と述べ、現行の埋め立て計画を推進する立場だと強調した。

 メガフロート案は1999年の稲嶺恵一県政下で、米軍普天間飛行場の移設案の一つとして取り沙汰された。埋め立てによる土地造成ではなく、海上浮体式の滑走路を設置する案。

 取材に山崎氏は「中谷氏の真意は『軟弱地盤で埋め立ては無理だが、代替案が必要』ということだ。自民党内にも埋め立ては厳しいと考える人はいる」と語った。一方で、普天間飛行場の県外移設の可能性については現実的ではないという自身の認識を示した。中谷氏は山崎氏の説明について「私は一切そんな話はしていないし、(山崎氏の発言は)私とは全く関係ない」と否定した。

 会食に出席した呉屋会長は琉球新報の取材に対し、「埋め立てをやめられるのであれば一歩前進だ。埋め立てよりもいい案だと思う」と前向きな姿勢を見せた。