熊本南部豪雨 人身被害の報告なし 自宅や店舗で冠水を確認


社会
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 熊本県南部を襲った豪雨で4日、同県芦北町に住む県出身の桃原良三さん(80)宅も被害に遭った。近所を流れる佐敷川から水があふれ自宅が冠水した。桃原さんの娘、平江千速さん(55)は「午前2時半ごろに目が覚めて家の窓から川を見たら、水があふれて今まで見たことがない光景が広がっていた。身の危険を感じて、家の2階に避難した」と声を震わせた。

 芦北町では午前2時ごろから強い雨が降り出し、佐敷川の水位は午前4時ごろには水面が道路と同じ高さになり、あっという間に千速さんの自宅も冠水した。家の中の水は午前10時ごろには引いたが、午後7時現在も土砂が残っている。

 スーパーマーケットを営む千速さんの夫、大八さん(58)は「町のほとんどの世帯が冠水し、店内も全て水浸しになった。高齢者が多い地域でもあるので、みんな大丈夫か心配だ」と周囲を気遣った。

 熊本沖縄県人会の許田重治事務局長によると、4日午後6時時点で豪雨による県人関係の人身被害の報告はない。許田事務局長は「熊本市内では大きな被害は確認されていない。引き続き情報収集していきたい」と話した。