安和採掘は「違法状態」 辺野古土砂搬出の琉球セメントに県行政指導 中止命令は出さず


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琉球セメントの安和鉱山=2日(沖縄ドローンプロジェクト提供)

 琉球セメントが所有する安和鉱山で森林法に基づく林地開発許可を得ず採掘していた問題で、沖縄県は8日までに違法状態と認定した。7日、琉球セメントに対し、申請書を提出するよう行政指導する文書を送った。安和鉱山から米軍普天間飛行場の名護市辺野移設に使う埋め立て用土砂が搬出されている。県は災害が発生する状況ではないと判断し開発の中止命令には踏み込まなかった。このため新基地建設工事の進展には影響しない。

 今年3月に琉球セメントが林地開発許可を得ていないことが発覚した。許可に代わるような類似の申請もないため県は無許可状態であると認定した。県は今月2日、鉱山に立ち入って現場を確認。その結果「災害が発生するような状況は認められない」と判断し、採掘の中止命令は出さなかった。無許可状態を解消するため、8月末までに手続きを行うよう求めた。

 森林法で1ヘクタールを超えて森林を開発する場合は都道府県知事の許可を得ることが定められている。森林の機能を壊すような無秩序な開発を防ぎ、災害を防ぐことを目的とした制度だ。無許可開発の罰則として懲役や罰金、知事による開発中止命令などもあるが、指導に従わない場合や災害につながる場合など悪質な事例に限られる。

 琉球セメントの担当者は8日、本紙の取材に「法にのっとって必要なことを進めていく」と述べた。