【熱闘・高校野球】始球式「めっちゃ思いを込めた」 唯一の女子部員(7月5日)


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首里―美来工科の試合前の始球式で投球する首里の岸本みなみ=5日、タピックスタジアム名護

 全国高校野球選手権沖縄大会に代わる独自の「2020県高校野球夏季大会」(県高野連主催)。球場で躍動し、伸び伸びとプレーする選手たちの表情を切り取る。

 首里―美来工科

 首里でただ一人の女子部員、3年の岸本みなみが始球式に臨んだ。両肩を回し、深呼吸。149センチの体を大きく使い、ノーワインドアップで右腕を振り抜いた。球速85キロの直球が真ん中低めに決まると、会場は盛大な拍手に包まれた。

 二塁手。野原潤一監督から特別に贈られた背番号4のユニホームを着て、入学後、初の公式戦マウンド。「高校生活最初で最後。めっちゃ思いを込めた。拍手はとてもうれしかった」。捕手から記念球を受け取ると笑顔がはじけた。

 小学2年で野球を始めたが、高校では体力差が広がり練習に付いていくのがやっと。それでも仲間の励ましを力に変え、食らい付いた。野原監督は「コントロールはチーム一」と称賛する。

 雨天のため、初戦は順延再試合に。「みんなと一日でも長く野球がしたい」。スタンドで仲間の雄姿を見守る。

高校野球アルバム2020夏季大会 
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