全国高校野球選手権沖縄大会に代わる独自の「2020県高校野球夏季大会」(県高野連主催)。1回戦の熱戦が続いている。甲子園への道はなくなったが、球児たちはさまざまな思いを胸にグラウンドに立つ。
糸満2―8小禄
糸満の久高琉愛(りゅうま)は三塁コーチャーとしてチームに貢献してきた。高校での出場は今回が初めて。九回2死から代打出場。三塁から仲間を見守ることが多かったが、中にはベンチにさえ入れていないチームメートもいる。仲間のためにも「一人でも多くつなぐ」と来た球を振り抜いた。打球は右中間への二塁打。久高の思いを知っている糸満のベンチからこの日一番の声援と拍手が上がった。
「全員の思いを一つにして仲間を信じることが勝利につながる」。後輩に思いを託す。
次は「全員の進路決定、大学合格」が目標だと言い、真っ黒に焼けた顔に白い歯をのぞかせた。