パインの葉が衣服に変身 フードリボン社が繊維取り出し製品化


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パイナップル葉を使用したアパレルを製作するフードリボン社の宇田悦子社長(左から3人目)、台北駐日経済文化代表処那覇分処の范振國処長(同2人目)ら=9日、県庁

 食品関連開発・販売のフードリボン(大宜味村、宇田悦子社長)は9日、県庁で記者会見を開き、台湾紡績協会と連携して、パイナップルの葉を活用した製品製作に取り組むと発表した。果実を取った後で大量に廃棄されていたパイナップル葉から繊維を取り出し、衣服などを作る。近く中国の工場で繊維を取り出して綿化し、台湾で紡績、反物として生産する。

 「KISEKI LABEL(キセキレーベル)」のプロジェクト名で、SDGs(持続可能な開発目標)の取り組みとして進めていく。収穫量の多い中国や台湾のパイナップル葉を主に使用して製品化するが、将来的には県産の物を使ってアパレルの製作に取り組む。

 パイナップル葉の繊維を使った生地はフィリピンなどでも作られているが、手作業で繊維を取るため量産化が課題だった。同社は機械で繊維を取り出す方法を確立し、コストを下げることができるようになったとしている。

 繊維として使用できるのは葉の1%程度だが、残りの繊維かすも生分解性樹脂と配合してストロー製品などに活用する考え。アパレルやストローなどの製品にキセキレーベルのマークを付け、ブランド化を図っていく。

 9日に、フードリボンと台湾政府管轄下の台湾紡績協会、大宜味村の3者が持続可能な環境保護の取り組みを推進するための覚書を締結した。

 宇田社長は「ブランドを知財として、沖縄から発信していくことで地域に貢献していきたい」と語った。