キャンプ・ハンセンでコロナ複数感染 隣接金武町の繁華街、不安が拡大 ゲート前で検温、高まる警戒度


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米軍キャンプ・ハンセンに隣接する繁華街・新開地では米兵の姿もみられた=9日夜、金武町

 【金武】米軍キャンプ・ハンセン内で9日、複数の新型コロナウイルス感染者が確認され、基地では警戒感が強まった。隣接する繁華街「新開地」では基地内からのコロナ感染拡大や、外出自粛再開に伴う経済的打撃を懸念する声も上がる。

 同基地ゲートは8日夜から9日午前9時半ごろまで封鎖された。封鎖が解除された直後の9日午前10時ごろ、米兵や日本人従業員の自動車が続々と基地内へ入った。ゲートのそばには仮設テントが設置され、マスクやフェースシールドをした米兵数人が、入域する車両を全て停車させた。非接触型の体温計を使って運転手らの検温を実施した。

 金武町は9日朝から情報収集にあたった。県からハンセン内での感染者発生の情報を受け、午後3時ごろから町のLINE(ライン)公式アカウントや防災無線で町民に発表した。沖縄防衛局からは、ハンセン内で複数の感染者が確認されたことや、感染者の行動範囲は調査中であることなどが通知された。

 基地に近い新開地からは、ハンセンでの感染確認に不安の声も上がる。商店に勤める前原恵利子さん(57)は、新開地に米兵や町民、観光客が訪れることから「商店街が感染源にならないか」と不安視した。軍用品店を経営する与那嶺守さん(76)は「夜の町は静かだ、以前のような活気はない」と嘆いた。