いかだで6日間漂流 「対馬丸」体験者の上原さん、宮森小で講演


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対馬丸で起きた壮絶な体験を語る上原清さん=6月25日、うるま市石川の宮森小学校

 【うるま】うるま市の宮森小学校で6月25日、平和講演会が開かれ、1944年8月に米潜水艦に撃沈され、約1500人が犠牲となった「対馬丸」の生存者・上原清さん(86)=うるま市=が当時の体験を語った。海に飛び込んだ後、いかだに乗り6日間も海上を漂ったという上原さんの話を児童は熱心に聞いた。

 対馬丸乗船時は10歳、小学4年生だった。眠っていたが、船が大きく揺れたのが分かり、すぐさま起きた。「船がやられた」と直感したという。外に出て状況を確認すると、船尾が傾いていた。上原さんは「山のように大きかった船が沈み始めた」と振り返る。

 海に飛び込んだ後、見つけたいかだにつかまり、海の上を漂った。最終的には上原さんのほか中学生ら3人がいかだに乗っていた。6日間ほとんど飲まず食わずの状況だった。その後、ようやく島が見えてきた。奄美大島だった。

 そこで地元の人に救助され、助かった。上原さんは「平和な社会をつくるには心の中に平和のとりでを築かなければならない。元気で平和な沖縄をみんなでつくっていこう」と呼び掛けた。