全国高体連空手道専門部は10日、高校3年生を対象にした個人形の大会「形インターネットGP(グランプリ)」の優勝者と準優勝者を発表した。県勢は大西恒輝(与勝)が決勝に残り8強、新城志(コザ)が16強だった。8人による決勝の演武は12日午後1時から全日本空手道連盟のユーチューブ「JKF CHANNEL」で配信される。全国183校から男子212人、女子166人がエントリー。演武の動画を送信し、審査が行われた。
◇王者喜友名の徹底指導、大西が体現
県勢トップだった大西の躍進の背景には形の絶対王者、喜友名諒の指導があった。小学6年から喜友名龍鳳館の1期生として技を磨いてきた。中体連、高体連主催の全国大会の出場経験はなく、県敗退が常。高校1年の新人大会での敗退を転機に、肉体改造を始めた。喜友名からの稽古メニューを徹底してこなした。
学校で指導する銘苅正人監督は「呼吸と技が一致するようになり、形の本質を探究するようになっていた」と変化に気付いたという。昨年10月の県新人で3位、2月の春季大会は2位と結果に表れた。
形GPの開催が発表されると出場を決意。撮影を繰り返すうちに感覚を取り戻し、第3ラウンドで使う「スーパーリンペイ」、決勝の「パイクー」を送り終えた時は「天命を待つ」との心境だったという。同学年で互いに鍛え、動画撮影もしてくれた金城安優への感謝も口にした。
受験に切り替えるため、県総体には出場しない。高校3年間を振り返ると「きつくてやめたいと思った時もあった」というが、「やっぱり空手は楽しい」と突き詰めたからこその笑みをこぼした。
(古川峻)