台湾県議ら尖閣字名変更に抗議 当局は出港を阻止


この記事を書いた人 Avatar photo 宮里 努
尖閣諸島周辺へ抗議活動を計画していた台湾の宜蘭県議会の関係者ら=3日、台湾の宜蘭県梗枋漁港(蔡文益氏提供)

 台湾の宜蘭県議員らは3日深夜、石垣市が尖閣諸島の字名を「登野城」から「登野城尖閣」へ変更することに対する抗議活動を同県内の梗枋(こうほう)漁港内で実施した。その後、尖閣諸島周辺を目指して同県内の梗枋漁港から出港しようとしたが台湾当局に阻止されたため断念し、抗議活動は陸上だけで終了した。

 抗議活動を主導した宜蘭県議員の蔡文益(さいぶんえき)氏は本紙の取材に対し「抗議活動を通して、私たちの釣魚台(尖閣諸島の台湾名)を守る決意が世界へ届いた。抗議の任務は一段落した」と述べた。ただ、同県議員らは県議会内に抗議拠点「保護頭城(とうせい)釣魚台辦公室(事務所)」を設置、同公室を同県内の頭城鎮に移し、引き続き尖閣を巡る動向を注視するという。

 石垣市の字名変更に対抗して、宜蘭県議会は6月に「釣魚台」から「頭城釣魚台」へ名称変更する議案を可決し、同県政府は6月22日に同議案を内政部(総務省相当)に提出。その後、県議会内に「保護頭城釣魚台辦公室(事務所)」を設立し、尖閣諸島周辺への抗議活動などを計画した。尖閣諸島周辺への抗議活動は断念した蔡氏は今後の活動について「引き続き、漁業者の釣魚台周辺の権益を守っていきたい」と強調した。