屋良朝英さん死去 商店経営、移住地の食支え【ボリビア】


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夫婦で屋良商店を営んできた屋良朝英さん(左)と千恵子さん=ボリビア

 オキナワ移住地で屋良商店を営む屋良朝英さんが5月27日に75歳で逝去した。朝英さんが亡くなる前の5月16日には、神奈川県に出稼ぎに行っていた長男の朝和さんが心筋梗塞で32歳の若さで亡くなった。息子の訃報の直後で、県系人らが屋良さん家族を心配していた矢先の死去だった。

 朝英さんは高嶺村(現糸満市)の出身で1960年、15歳の時に第10次移民団としてボリビアに移住した。比嘉千恵子さんと結婚し、娘3人、息子1人の子宝に恵まれた。長年にわたり屋良商店を営み、夫婦で店番をすることもあった。

 千恵子さんはオキナワ移住地から約90キロ離れたサンタクルス市街地に週に2回、食品や生活用品などを仕入れに行く。みそや豆腐、日本米など日本食もそろっていて、子どもから大人まで移住地の県系人にとって親しみのある商店だ。

 県系人の子どもや青年たちから「屋良のおじさん」「屋良のおばさん」と呼ばれ親しまれてきた。幼少期からずっと屋良商店で買い物をしてきた県系人らは「小さい頃からお店に買い物に行っていた。屋良のおじさんの訃報はとてもショック」と別れを惜しんだ。

 屋良朝英さん、朝和さん親子のご冥福をお祈りする。

(安里玉元三奈美通信員)