県議会、与野党とも強く米軍批判「基地封鎖、情報開示を」 コロナ60人超感染


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沖縄県議会

 新型コロナウイルス感染症の対策や情報開示を米軍に求める決議、意見書を10日に全会一致で可決したばかりの県議会では、60人を超える感染者が確認されたことに大きな衝撃が広がった。クラスター(感染者集団)の可能性が極めて高いにもかかわらず情報を公開しない米軍への批判は根強く、党派を問わず基地の封鎖を求める声が相次いだ。

 県政与党は、沖縄・平和の仲村未央代表が「県民の命を脅かしつつあるのに情報開示に非協力的な態度が許されるのか。県民の命を軽視しているとしか思えず、基地封鎖、ロックダウンを求める」と批判した。
 共産県議団の渡久地修団長も「在韓米軍は情報を開示しており、日本政府の責任が問われている。日本の検疫もできない米軍基地は危険な存在だ。地位協定を改定しなければ県民の命は守れない」と指摘した。
 てぃーだネットの瑞慶覧功代表は「治外法権状態を許してはいけない。一方で県の対応も甘い。米軍に忖度(そんたく)せず、もっと米軍を追及すべきだ。今回の問題は沖縄だけではなく日本全体の問題だ」と語った。
 おきなわの平良昭一代表は「県民が必死に頑張っている中、情報が共有されないのが大問題で、情報を開示しなければ守れる命が失われる。地位協定が大きな壁となっており、早急な改定が必要だ」と語った。
 野党からも、沖縄・自民の島袋大代表が「感染拡大を防ぐには米軍が感染者数、行動歴をきちんと提供すべきだ。『良き隣人』であるなら米本国などからの異動者の数を絞るなどの努力をしてほしい」との声が上がった。
 中立会派公明の金城勉代表は「大変な事態だ。米軍は情報を開示し、どのような対応をとっているか県民に知らせるべきだ。情報がなければさらなる事態悪化につながりかねない」と危機感をあらわにした。
 無所属の会の當間盛夫代表は「米本国で感染が拡大する中で懸念していたことが現実となった。米軍は情報を開示し、県と共に対策に乗り出すべきで、基地封鎖も選択肢の一つで米軍自ら実行すべきだ」とした。