沖縄電力、非効率石炭火力の割合が大手電力で最高 CO2削減へ具体策検討


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 【東京】経済産業省は13日、二酸化炭素(CO2)の排出が多い非効率な石炭火力発電の削減に向け、具体策を検討する有識者会議の初会合を開いた。委員からは非効率設備の割合を引き下げる方針を評価する声が相次いだ一方、非効率設備に頼らざるを得ない地域に配慮を求める声も上がった。年内にも意見を取りまとめる。

 会議で経産省は、19年度の総発電量に占める非効率な石炭火力の割合を電力会社ごとに示し、沖縄電力の55・1%が大手電力で最も高かった。北海道電力が38・8%、中国電力が27・4%で続いた。

 2030年度における石炭火力の比率を26%に引き下げるとした政府目標を達成するために、「非効率石炭火力の発電をできる限りゼロに近づける必要がある」と説明した。

 20年6月末時点の国内の石炭火力は150基で、非効率設備は120基に上る。今後、17件の新設と置き換えが予定されている。30年度までの段階的な休廃止の対象は100基程度となる見通しだ。

 沖縄電力など石炭火力への依存度が高い事業者にとって、設備の休廃止は事業に大きく影響しそうだ。

 政府のエネルギー基本計画は「非効率」に当たるものとして発電方法が「超臨界以下」と定義し、県内に存在する三つの石炭火力発電所は全て非効率に該当する。これに対し、経産省が示した論点例は、超臨界以下でも「発電効率の高い石炭火力もある」とし、規制対象の基準から議論する考えを示した。

 委員からは「石炭火力を無理やり減らせば電気料金の上昇につながりかねない」との懸念が出た。電力会社の負担や代替のベースロード電源確保も含めた議論を求める声が上がった。別の委員から、例外措置を設ければ「規制としてあいまいになってしまう」との指摘もあった。

 オブザーバー参加の電気事業連合会は、地理的条件から「非効率石炭火力に頼らざるを得ない地域もある」と慎重な議論を求めた。