沖縄の和牛血統矛盾 検査進め早期に競りに 購買者が県に要望+2018年の黒島市場出荷牛1頭に血統不一致


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久米島和牛(写真と本文は直接関係ありません)

 久米島町内の家畜人工授精師が種付けした牛で血統不一致が相次いでいる問題で15日、購買者の一人である杉本本店(熊本県)の杉本知彌会長が県庁に長嶺豊農林水産部長を訪れた。県が解決に向けて早急に取り組むよう求めた。購買者はこれまでも県と意見交換をしてきたが、長嶺部長との面談は今回が初めて。

 杉本本店は県内の家畜市場で購入した牛を育て、全国に卸す。杉本会長は血統不一致問題は風評被害につながる恐れがあるとして、「一日も早く検査済みの牛を競りに出してほしい」と、早急な解決を求めた。

 血統不一致問題で市場の信頼が失墜したとして、JAおきなわは血統不一致が集中する種雄牛「安福久」の血統とされる母牛約2千頭を検査している。

 検査はDNA検査よりも短期間で検査を行えるゲノム検査を実施する。ゲノム検査では正しい血統までは証明できないが、不一致が判明した牛はDNA検査に回し、正しい証明書を発行する方針。検査費用はDNA検査よりも約2千円安い1頭8千円程度を見込んでいる。費用はJAおきなわが負担する。7月10日現在、758頭の検体が検査に出されている。

 JAおきなわによると、10月までに約2千頭全てが検査に出される予定。9月以降の競りには、検査結果が判明した牛を上場できるという。