基地タクシー運転手コロナ陽性 米軍から初感染か キャンプ・ハンセンに出入り


この記事を書いた人 Avatar photo 米倉 外昭
新たに多数の新型コロナウイルス感染者が確認された米軍キャンプ・ハンセンのゲート前=15日、金武町

 玉城デニー知事は16日に会見を開き、沖縄市のタクシー運転手の80代男性が新型コロナウイルスに感染したと発表した。男性は乗務で米軍キャンプ・ハンセン(金武町、宜野座村など)に出入りしており、今月4日から8日の間にハンセン関係者をタクシーに乗せたという。ハンセンでは米軍関係者の大規模なクラスター(感染者集団)が発生している。県は米軍関係者から県民に感染した初めてのケースとみている。

 米軍普天間飛行場では、新たに2人の新型コロナ感染が確認された。米軍関係の感染者数は計138人となった。米海兵隊は16日、感染者の行動履歴の一部をホームページで公表した。

 玉城知事は「感染拡大防止のために米側、市町村、医療関係一体となって取り組むことが重要だ」と強調した。15日に開いた県と米軍の実務者協議では、在沖米軍の衛生当局が県に対し、疫学調査に必要な情報を全て提供することを確認したという。

 80代男性が乗せたハンセン関係者の新型コロナ感染について、県の糸数公保健衛生統括監は「確認できていないが、感染者がタクシーを利用して(男性が)感染した可能性が高い」と指摘した。

 米軍関係者と接触した可能性が高い人にPCR検査を実施するため、県は県医師会、市町村と調整を行っている。沖縄防衛局と駐留軍等労働者労務管理機構と連携して、米軍基地従業員の検査実施についても調整を進める。糸数統括監は、タクシー運転手について「クラスター報告のある(普天間とハンセン)二つに出入りをしている人は注意が必要だ」と述べ、検査を働き掛けるとした。

 県外や海外への渡航歴がない県内感染者は、4月30日に感染が確認された那覇市の50代会社員の男性以降、77日ぶりとなった。県内の感染者は累計149人。