国政与野党越え、米軍水際対策の「抜け穴」指摘 コロナ感染防止で政府要請活発


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河野太郎防衛相(右)に要請書を手渡す、国場幸之助氏(中央)と宮崎政久氏=15日、防衛省

 沖縄県内米軍基地での新型コロナウイルス感染拡大を受け、国政の場でも与野党超えて感染防止対策を求める動きが活発化している。沖縄関係の自民党国会議員3氏は、米軍関係者へのPCR検査など水際対策の徹底などを外務省や防衛省に要請した。国政野党4党は15日の国対委員長連絡会で、米軍内の感染拡大に関し政府へ説明を求めることで一致した。水際対策の「抜け穴」を巡る政府の対応に改善を求めている。

 自民党の西銘恒三郎氏、国場幸之助氏、宮崎政久氏の3衆院議員でつくる「かけはしの会」は14、15日の両日、茂木敏充外相、河野太郎防衛相へ要請書を提出。(1)沖縄に入る米軍関係者へのPCR検査など水際対策の徹底(2)基地内での感染者隔離と外出禁止(3)感染者数や濃厚接触者、行動履歴などの情報開示(4)米軍関係者に検疫法などを適用するための日米地位協定改定(5)米軍基地の共同使用や日本政府への管理権移管―の5点を求めた。

 15日、要請を受けた河野防衛相は「沖縄の皆さんが不安に思われる状況になってしまい誠に申し訳ないと思っている。米軍としっかり連携し、沖縄県や自治体に適切に情報を共有し対応したい」と応じた。

 国場氏は取材に「軍関係者が県民にコロナを広げることになれば、日米の信頼関係そのものが失われかねない」と訴え、宮崎氏は「県民の命に関わる話だ」と危機感を示した。

 一方、立憲民主と国民民主、社民、共産の野党4党は15日の野党国対委員長連絡会で、日本政府の責任で米軍に対し情報開示を求めていくことを確認した。

 立憲民主の安住淳氏は「米軍の感染拡大でびっくりするような数字が出てきた。日本政府は透明性のある説明を責任を持ってすべきだ」と強調した。共産党の穀田恵二氏は「大穴が空いているのを見過ごすわけにはいかない」と語った。