売り上げ7~8割減「大打撃だ」 米軍コロナ拡大、中北部の繁華街閑散


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 【中北部】新型コロナウイルス感染拡大で在沖米軍が警戒レベルを引き上げて初の週末となった18日。米軍基地が集中する本島中北部の繁華街では、コロナ以前は多く見られた米軍関係者の姿は少なかった。米軍関係者を客層とする店舗からは「厳しい」という声が上がる一方で、接客による感染を不安視する声もあった。北谷町の海岸ではランニングやサーフィンをする米軍関係者の姿も見られた。

北谷町の宮城海岸では米兵らの姿がちらほら見られた=18日午後2時44分、同町宮城

 キャンプ瑞慶覧(フォスター)に近く、いつもは大勢の米軍関係者でにぎわっていた北谷町のある飲食店。椅子や机の間隔を空けるなどの感染対策をした店内は米軍関係者の姿はなく、車で持ち帰りの注文をするYナンバー車が相次いで訪れた。40代の男性店長は「感染拡大で売り上げが7~8割減った。大打撃だ」と肩を落とす。

 宜野湾市内にある別の飲食店は「接客に当たるスタッフが一番心配だ」と話し、感染者の行動歴などの情報提供と飲食店従業員のPCR検査の必要性を強調した。

 米軍関係者向け住宅が並ぶ北谷町の海岸沿いは、ランニングする米軍関係者の姿が見られた。宮城海岸を訪れていた嘉手納基地の男性兵士(37)=読谷村=は「サーフィンをやりに来て、波を見ている」と話した。海兵隊基地で感染が相次いでいることに「よくないことだが、嘉手納基地は大丈夫だと思う」と話した。

 在沖米軍は14日までに保健衛生上の健康レベルを5段階中2番目に高いC(チャーリー)に引き上げた。基地外の外食などは制限されるが、距離を置いたランニングなどは許される。

 キャンプ・ハンセンを抱える金武町の繁華街、新開地からも米軍関係者の姿が消えた。飲食店を訪れるのは県民や観光客ばかりが目に付いた。

 ある理髪店は客の約7割が米兵だった。安全を考慮して現在は自粛休業し、約2週間、サインポールは止まったままだ。PCR検査で従業員の陰性を確認し近く再開する予定だが、客足減の不安はつきまとう。代表の山城庸平さん(34)は「(行政の)支援がなく不安は大きい」と懸念する。「店を再開しても米兵は来られない。この状況が3カ月、半年と続くと厳しい」と吐露した。