男子カナディアンシングル500メートルは時任優大(沖縄水産)がライバルでチームメートの多和田遼眞の必死の追い上げを振り切って勝利。200メートルも制し2冠を手にした。
500メートルは中盤から多和田に徐々に追い上げられ、残り50メートルでほぼ横並びの状態に。最後は1秒差で逃げ切った。
「スタートダッシュで力を使い過ぎて途中で疲れが出た」としながらも、最後まで集中力は切らさなかった。限界すれすれながら粘りのこぎを見せ、勝利を譲らなかった。
パドル上方部分を持つ左手の位置が低いという監督からの指摘を受け、修正し記録向上につなげた。各選手が苦しむ向かい風にも「水をつかむ感覚がより感じられて得意」と気にならなかった。
就職するため、競技は高校生で引退となる。3年生同士、主将の多和田と切磋琢磨(せっさたくま)しながら実力を伸ばしてきた。「楽しかった。結果もきちんと残せた」と淡々と語り、晴れ晴れとした表情を見せた。平良祐喜監督は「カヌーに取り組むひたむきな姿勢を後輩たちに示してくれた」と勝利をたたえた。
(大城三太)