春季大会で3回戦敗退だった興南はそれ以降、重心を低くした打撃フォームを意識付け、下半身強化に徹した。そのかいあって、打線は試合を重ねるごとに向上している。
さらに、秋季からマウンドに上がっている屋嘉比才輝の成長も大きい。この日は初回を3者連続三振で仕留め、テンポ良く攻撃につなげた。角度のついたスライダーを武器に、五回まで6奪三振、四死球なしの好投をみせた。
専門は一塁手だったが、我喜屋優監督の勧めで投手に転向。今大会で初めて背番号1を背負った。昨年の夏の準優勝校のエースとして投球にも自然と力が入る。「ピンチの時ほど緊張が守備に伝わらないよう心がける」。けん引する重責も感じている。
我喜屋監督は「春季と比べ制球力が向上している」と力投をたたえた。メンバーは春季でコールド負けした日本ウェルネスとの次戦に、雪辱を誓う。
(上江洲真梨子)