粟国村長選初当選の高良修一氏に聞く 空路再開を県に要望へ コロナ、ハブ対策に力


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粟国村長選で初当選を果たし、今後の抱負を語る髙良修一氏=20日、粟国村内の自宅

 【粟国】19日投開票の粟国村長選で初当選を果たした髙良修一氏(64)に今後の村政運営について聞いた。

 ―103票の大差での勝利だが、勝因をどう考えるか。

 「まずは知名度向上に力を入れた。決して髙良人気で勝ったわけではないと承知している。村民の現職に対する不満が私の支持につながったのではないか。村議7人中5人が私を支持したことも大きかった。村内に三つある全ての字から満遍なく票があった」

 ―新型コロナウイルス感染症対策について。

 「現時点では村内で感染者は発生していない。村内の若者を中心に厚労省が提供している濃厚接触者をたどるアプリを活用してほしい。場合によっては島内外の渡航自粛要請も検討する。フェリー乗船前の検温実施など水際対策も強化したい。民宿やダイビング業者など、コロナによる観光客減で打撃を受けた事業者の声を聞きながら補助なども考えたい」

 ―空の便は航空路線が休止している。再開に向けての取り組みは。

 「この問題は村民が一番解決を望んでいる問題だ。村の財政だけでなく、県や国の補助も必要になってくる。まずは県に村民の強い要望を伝える。現状を把握し、具体的な補助金の話など、航空路線の早期再開に向けて県と協議していきたい」

 ―人口減少への対策は。

 「子どもを安心して生み育てられる環境づくりが重要だ。行政として『ワンオペ育児』など子育てに悩んでいる保護者向けの相談窓口を設置できればと思う。資金援助などさまざまな形で支援できるよう考えている」

 ―行財政改革について。

 「現在の村財政で予算を組むのはきついと聞いている。人件費が大きな負担になっているが、雇用も大事なため、そのバランスを見ながら無駄を削る。身内などに甘い恣意(しい)的な雇用ではなく、雇用基準を明確にし公平な行政を実現したい」

 ―ハブがいない島だったが、2017年から20年にかけて20匹捕獲された。対策は。

 「定着していると考えて間違いないと思う。空き家や住居の周囲をネットで覆ったらどうかと意見が出ている。適した案があれば実施したい。村議会の承認が得られればハブ取り名人を呼んで、駆除してもらうことも検討している」
 (聞き手・照屋大哲)

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 たから・しゅういち 1955年12月7日生まれ。那覇市小禄出身。京都大学中退。96年に粟国村役場に入り、会計課長、経済課長、総務課長を歴任し、2016年3月に定年退職した。